魚からの「見え方」

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釣果に直結する【色】の見え方

バスフィッシングを楽しむうえで重要な要素、【色】

ルアーそのものに着色された色。
それに水質・光量・距離・水深というような要素がさまざま加わり色の見え方は変化します。

そもそも人間と魚とでは認識できる色のバリエーションが異なり、釣り人が考えていることが本当に正しいのかは疑問に思うことがあります。

この記事では自分の考えも含めまとめていこうと思います。

見えるとは?

生物の目の仕組みは眼球の奥にある網膜に光が当たり、この網膜内にある2種類の細胞がセンサーの役割を果たしているようです。

その細胞とは、①桿体(かんたい)細胞②錐体(すいたい)細胞
それぞれの細胞にはオプシンという物質があり、光が当たるとオプシンが反応し光の情報が電気信号となり視神経を通り脳に伝わることで「見える」と感じているようです。

①桿体細胞
高感度センサー。光量が少ない薄暗い状況で物が見えるのはこの細胞の働き。
色覚にはあまり関係が無い。

②錐体細胞
色を感じるセンサー。光量が明るい状況で機能する細胞。
光量が少なくなるにつれ色を感じにくくなる。

色を感じることに重要なのが錐体細胞。
人間は錐体細胞内のオプシンが「3色型」で、赤型・緑型・青型の組み合わせにより様々な色を認識しています。

脊椎動物である魚は人間の「3色型」に対して、赤型・緑型・青型・紫外線型の「4色型」で人間よりも優れた色覚があり、よりカラフルな世界を見ているとの研究もあるそうです。

優れた色覚が役立つのは明るさが不規則に変わるような状況。光量が極端に明るくなったり暗くなったりすることで物の形状・輪郭が把握しづらく発見が遅れるということもあり、水中で生息している魚にとってこの発達は必須だったのではないでしょうか。

色と波長

生物が認識している色とは、「光源」「物体」「視覚」の三要素があることで感じることが出来ます。

光源から光が放たれ、物体に当たり反射された光が視覚により捉えられる。

当たり前のようですが、この反射された光は「可視光線」と呼ばれ、電磁波のうち人間の目で見える領域の光です。

可視光線
可視光線と波長の関係

電磁波ですので波長があり、可視光線の中でも波長が長い方から赤、橙、黄。短い方から紫、藍、青と見えています。
この領域より波長が長くなると赤外線、短くなると紫外線となり人間の目では見ることが出来ません。

また波長は、
波長の短いものは吸収されにくく散乱されやすい
波長の長いものは吸収されやすく散乱しにくい、という性質を持っています。

水中での見え方

先に記した波長の性質。これが水中での色の見え方に大きく関わってきます。

水中に入った光は波長の長い赤い色から徐々に吸収されていき、水深が深くなるにつれ青色が残っていきます。
同じ色であれば、水深が浅いところで見える色より深いところで見える色の方が青みがかっている状態になります。

水深と波長
水深による色の見え方イメージ

例えば、チャート系の黄色っぽいカラーであれば徐々に黄色が吸収され黄緑っぽくなり、緑、青と変化していきます。
グリパン系のカラーであれば深い水深ではジューンバグ系に近い色になっているかもしれません。

もちろん、フィールドによって透明度・濁度、光量、波の有無など条件の違いで差があるとは思います。

ただこう言った事を知ると「水深10mでこのカラーで釣れたんだ」と言った話や経験も、バスから見て本当にそのカラーと認識されていたのか?と改めて疑問に思います。

「春は赤色」に思うこと

ここで個人的に考えたことは「春は赤色」と言われてきたバス釣りのセオリー。

赤いルアー
「春は赤色」に代表されるザリガニカラー

今まではマッチザベイト的な考え方で、春先の温かくなったタイミングで様々な水中生物が動き出し、その中でも赤みがかったザリガニに合わせたカラーだから反応するのか?と考えていました。
仮にザリガニがいないフィールドでも、アメリカから移入されたブラックバスにはザリガニを捕食対象とし、遺伝子的に赤い対象に反応する性質があるとも考えられます。

しかし、ここまで記した内容で「赤色は波長が長く吸収されやすい色」ならば、ルアーを深く沈めていくほど紫がかっていき、黒に近づいていくことになります。

一般的に冬は水温が安定する水深の深い場所にバスが溜まりますし、夏は水温が低い場所を求めて深い場所・インレットへ。ワカサギレイクであればベイトが深くなるにつれバスも深くなります。
秋はバスにとっては適水温となりバスのポジションがシャローからディープまで散らばり捉えどころのない状態となります。

仮に釣り人が一年中赤いルアーを使っていたとしても、その時期、状況により深いポジションにいるバスを狙っていたとしたら赤色は赤色と認識されていない可能性があります。

では春はどうでしょうか?
冬から徐々に水温が上昇し、産卵という一大イベントを控えたバス達は深い場所から自然とシャローに集結し、一年を通して浅い場所でのバスの絶対数が多くなる時期ではないでしょうか。
春以外の季節で赤色を多用したところで赤色と認識されていない可能性があるとしたら一番見慣れていないカラーが赤色であり、その赤色が有効となるシャローにバスが集結するのが春であるため反応が素直でバイトに繋がっているのではと感じています。

カラーセレクトの楽しみ

バスフィッシングを通して様々なことを学んで、ある意味ブラックバスの生態研究をしているような気になってきました(‘Д’)ww

ただ、カラーセレクト一つとっても奥が深く、今までの釣果から得られている経験が本当に正しい認識なのか疑問に思うところでもあります。

この場所では濁りがこうで、エサがこれで、だからこのカラーが効くんだ!というのも実は思い込みで、ルアーの「見え方」の変化を考慮したならば違う答えがあったかもしれないなと改めて考え直すきっかけにもなりました。

「春は赤色」じゃなくて「シャローは赤色」じゃないかなとも思い始めてますw

難しい話をなるべく簡潔に書きたいなと思いましたがいかがでしたでしょうか???
私自身専門的に学んだわけではないですし、より掘り下げて考慮すべき要素はあるとは思います。

ただ、カラーセレクトを楽しむうえでひとつの参考にして頂ければ幸いです(/・ω・)/


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